2011-06-07から1日間の記事一覧

百名橋

『日本百名橋』松村博 多くの人の投票があれば、百選に少しは蓋然性が得られるかもしれにいが、本書は一個人の選んだ「百名橋」である。しかし、著者はこの道一途に過ごした専門家なので、妥当な選び方をしていると思いたい。「まえがき」で「一県から少なく…

一陣の風になって

『風化する女』木村紅美 自殺した職場の先輩「れい子さん」を語る「私」の回想録(比喩的に言えば、挽歌)で、三十歳前の女性にしては心の襞の深さ、豊かさで好感の持てる小説である。 その先輩は一般事務職のままで二十年ずっとその会社に勤め、無断欠勤を…

新しい女

『樋口一葉と十三人の男たち』木谷喜美枝 2004年、五千円札の「顔」に登場した頃の本書。タイトルで注目させようとして、この純情一途な閨秀作家・薄命の天才作家に不似合いの表題をつけたものだ。 この度初めて本書をひもとく機に恵まれ、短い生涯にめ…

俳諧とこころ

『俳諧のこころ』岩倉さやか 支考は蕉門きっての論客である。 俳諧の理念を初めて体系的に構築した人。「虚実の基本的な構造」「虚の顕現と時宜の問題」「人和ー俳諧と人の道」等を掘り下げるのが支考俳論の要諦である。 キーワード基本概念は【虚実】【時宜…

道長が持ち去った草稿

『藤原道長』山中裕 私は藤原道長にはあまり触手を惹かれない。ただ、中古文学には欠かせない。 道長の人間性・人柄が次のようにまとめられている。 「道長は決してあせらず、強硬なこともせず、人の気持ちを十分に考慮に入れながら事を運んでいく。ここに平…

果たさぬ恋

『一葉の恋』田辺聖子 さすがは女心の微妙さが描ける女流作家だ。文学研究家がたどる作品の論証には留まらないで、中井桃水へのほのかな恋心を憶測して、その深奥を活写している。 犀利な夏子は、それを察していた。彼女は桃水への恋心が、この世では果たせ…

連歌師宗祇

『宗祇』奥田勲 『新撰筑波集』の著者として、連歌を「中世詩」の最高域まで高めた室町時代の連歌師。宗祇の生涯、宗祇をめぐる人々、宗祇の遺したもの、宗祇伝説にまで及ぶ宗祇伝である。 本格的に連歌に志したのは30歳(1450年)と言われている。連…

書簡の魅力

新潮日本古典集成『芭蕉文集』 芭蕉の代表作品は全て網羅されている。制作の年月順に『野ざらし紀行』『鹿島詣』『笈の小文』『更科紀行』『おくのほそ道』『幻住庵の記』『嵯峨日記』などである。 本書の類書と違うところは、書簡・遺書の掲載されているこ…

必携の大辞典

『俳文学大辞典』 連歌から現代俳句まで総称すれば「俳文学」その辞典であるのがいい。「俳諧辞典」ならば、古典的であり、「俳句辞典」ならば、近現代的なものになるからである。 「宗鑑」も約1ページ、しっかりと入っているし、永田耕衣も半ページ割いて…

各務支考の魔力

『俳聖芭蕉と俳魔支考』堀切実 芭蕉が俳聖と呼ばれるのは一般的であろうが、芭蕉を広めた支考を俳魔と呼ばれることには違和感を覚えるのではなかろうか。ただ、この「魔」は悪い意味ではなく、驚嘆するような魔力の意味であるとするならば、納得されるかもし…

四国新聞の同窓会通信(6月6日)

自分に関係のない同窓会も、ふとのぞいてみるのも一興ですね。 みな同じように年を寄せて、追い抜きも追い越しもせず、なんと愉快なことでしょう。

minminさん捩花三句

刈り取られ団地に消えし捩花 捩花の先より飛べる天道虫 地蔵尊囲みて伸びる捩花 『万葉集』で「ねつこ草」と呼ばれるものは、翁草・捩花等がある。 芝付の 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我れ恋ひめやも (巻14-3508)

トキワツユクサ花盛り

いわゆる露草ではなく、常磐露草(外来種・白花)が盛りです。 早苗塚 常磐露草 星座なす 雅舟 隠れ家や 常磐露草 星座なす 雅舟 ★常磐露草…ツユクサ科のノハカタカラクサ

6月7日 誕生日の花・花言葉・歌句・万葉歌

6月7日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句) 忠実に君を待ちいる岩鏡 雅舟 6月7日 【花】 イワカガミ(イワウメ科) 【花言葉】 忠実 【短歌】 雪渓の解けゆく際の岩鏡いのちの限りねんごろに咲く 鳥海昭子 遅い春を迎えた春の…

短冊二百九十一

二百九十一 献句 杖曳て像拝まばや宗鑑忌 其石

短冊二百九十

二百九十 掃きいだす春の埃や深庵 梅・

短冊二百八十九

二百八十九 ・気湧くおくは蝉声一夜庵 ・水