2011-08-15から1日間の記事一覧

短冊42

42 一夜庵花の数よむほほうけす 早舟

短冊41

41 濡るとまに一夜夢かる庵の瓦 照山

短冊40

40 つゝる花俳のうてなし一夜庵 呑・

天翔けた永遠の生命

『いつまでも、いつまでもお元気で』知覧特攻平和会館・編 本書は戦後62年目の終戦記念日に発行されたものです。毎年この頃になると、このような書物も恒例の行事のように出版されます。そして、改めて「あの戦争責任がどうだったのか」を問い直そうとする…

白川学による魅力の解明

『成り立ちで知る漢字のおもしろ世界』伊東 信夫 漢字のもともとの姿を知るには、白川静博士の『字統』『字通』に拠るのがいいだろう。「白川文字学」と言われる漢字の成り立ちの学問的説明である。 たとえば「名」の字の説明は、多くの辞書に、次のように書…

文庫で読む新撰犬筑波集・誹諧連歌抄

『犬つくば集』鈴木 棠三・校注 連歌という名を聞いただけで、敬遠される方が多い。俳句・短歌人口より更に少ないはずである。はっきり言って「連歌・連句は滅んだ」のだ。 更に、品性のない「犬つくば」という山崎宗鑑の作品など、千人に一人くらいしか振り…

八幡信仰の由緒

『八幡神と神仏習合』逵 日出典 自分の生活圏の中に八幡神宮がないのは珍しいのではあるまいか。旅をして、他所にも八幡さんがあったのかと不思議に思うことがある。それもそのはず、全国で約四万社あるというのだから当然である。 本書は、一般の読者にでき…

俳祖と俳聖

『俳諧史考』尾形 仂 文芸ジャンルとしての連歌・俳諧の専門書であるが、一般の読者にも分かり易く書かれている。題名からして少し専門的な「狂言を通して見た初期俳諧」「宗鑑と守武」「宗因と伊勢」「軽口の俳諧」「蕉風への展開」「芭蕉と『埋木』」「蕉…

笑いを軽みへ

『芭蕉とユーモア』成川 武夫 まじめ一辺倒の芭蕉観ではなく、上質の笑いであるユーモア精神をその俳諧に見て取ろうとするのが本書のねらいである。 第一章「俳諧の源流」では、連歌の歴史から説く。和歌的有心連歌に対して無心連歌は、おかしみやおもしろみ…

読みの確かさ

『漱石の漢詩を読む』古井由吉 本書を象徴するような「末期の吟」を要約してみたい。 大正5年11月20日の詩。翌々日から病床につく。(12月9日逝去 50歳) 漱石最晩年の漢詩は、ほとんどが七言律詩。この八句形式の尾聯二句を書き下し文にすると、 …

巧妙なトリック

『小林秀雄先生来る』原田宗典 サブタイトルを付さない本書。書名だけから常識的に判断すれば、創作劇とは思われない。 更に、装丁で渚に立つ小林秀雄らしきシルエット写真を予め見れば、評伝・解説書かとも錯覚する。しかし、文芸書を中心にする出版社のも…

数字で読み解く仏教

『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』柳谷 晃 釈迦の説く仏教文化の中に、数学的要素が盛り込まれていることを広範囲に検討を加えていく。極楽浄土までの距離「西方十万億仏土」、五重塔・仏像が教える計算し尽くされた構造、除夜の鐘を百八回撞かねばならない…

「耐乏」の時代を待望する

『老いの一喝』上坂冬子 日本人としての心のたたずまいを糺す本である。 我慢して耐えるしかほかに方法がない状況の到来を、著者は切望していた。耐乏精神は努力で身につくものではない。耐える姿勢が固まったところで、善悪の基本をばかばかしいほど単純に…

簡潔な文章

『問題があります』佐野洋子 表題作「問題があります」は、45編の寄せ集めエッセイ全体にかかる「問題提起」を意味しない。その中の1編の題名にすぎない、しかも、この言葉は意味深長ではない。戦前北京に住んでいた時ロシア人と同居していて、その人は会…

江戸の讃岐ガイドブック

『金比羅参詣名所図会』暁 鐘成 本書の著者暁鐘成(あかつきかねなり)は大阪難波の読本作家の代表的な人。十辺舎一九の『金毘羅道中膝栗毛』に刺激されて制作意欲が湧いたと言われる。本書は、浪花の名所図会第二作目である。 弘化4(1847)年に刊行された「…

旅先で見た何げないもの

『イカ干しは日向の匂い』武田花 日常では身近にいる猫が好きなのか、冒頭が猫の写真であり、本書フォト48枚中9枚が猫である。26篇の随筆は大半が外に出歩いて見たもの、何げないものが多い。美しい草花には興味がないように、場末の看板、樽瓶缶、とい…

奇妙な松に名前を付ける

観音寺松原には数百本の松がある。古いのは樹齢二百年を超える。 そのうち、個性的なものに名前を付けてみた。 ①臥龍松 ②衣懸松 ③タコの足松 ④股裂け松 ⑤寝そべり松 ⑥抱き合い松 ⑦杖突き松 ⑧大王松

mimminさん鬼灯三句

鬼灯の種出し伝える子はあらず 鬼灯や電気予報は百近し もとめたる鬼灯いまだ青残る

為さずんばなんぞ

「為さずんば、なんぞ成らん」 香川県三豊市立上高瀬小学校の正門横に建立されている校訓碑。 弗慮胡獲 弗為胡成 慮ラズンバナンゾ獲ン 為サズンバナンゾ成ラン (『書経』太甲下篇) 為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり (第九代米沢藩…

8月15日 誕生日の花・花言葉・歌句・万葉歌

8月15日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句) ぬばたまの夢なほ去らぬ終戦日 雅舟 8月15日 【花】 ヒオウギ(アヤメ科) 【花言葉】 誠意 【短歌】 ヒオウギよ花のつぼみの下陰を無音の蟻の列が続けり 鳥海昭子 毎年やってく…