2019-12-27から1日間の記事一覧

フランスに行きたしと思へども

「旅上」 萩原朔太郎 ふらんすへ行きたしと思へどもふらんすはあまりに遠しせめては新しき背広をきてきままなる旅にいでてみん。汽車が山道をゆくときみづいろの窓によりかかりてわれひとりうれしきことをおもはむ五月の朝のしののめうら若草のもえいづる心…

山は暮れて野は黄昏の薄かな 蕪村

日が落ちる、野は風が強く吹く、林は鳴る、武蔵野は暮れんとする、寒さが身に沁む、その時は路をいそぎたまえ、顧みて思わず新月が枯林の梢の横に寒い光を放っているのを見る。風が今にも梢から月を吹き落としそうである。突然また野に出る。君はその時、 山…

寺山修司、この歌

マッチ擦るつかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国はありや 寺山修司のこの歌を久しぶりに思い出した。 本日未明の深夜便で「マッチする炎に人を」 重ねる歌(誰の歌だったか)をほのかに聞き 感動したついでに思い出した愛唱歌。