剣持句集
オリーブの今年の花に去年の実
この紅花何の命の返り咲き
古義軒に祝いの蜂の飛び来たる 雅人
咲き初めし紫陽花寺の夏遍路 雅子
枇杷熟れて満洲娘嫁ぎ来し 雅人
今朝の放吟駄句の紙碑
浮気しないでと言われたあの日あの娘 覗き見をしないで 私だけ見ていてください
空中キス 歌句詠まぬ人遁れ来て 雅舟
風光る令和の花月 秋桜 雅澄
令和世や 何を齷齪競い合う
令(うるは)しき大和讃岐に娘帰国 雅澄
お早うと 見られぬ君にも ごあいさつ 皐月
辛苦なれ 日はまた昇る 令和御代 雅澄
同級生令子へ令和の供養かな 雅澄
小賢しい人離れ来て 花令和 古義庵
人知れず花に虫いて令和光 すべて世はこともなし自然のまま
山深く令和を飾る桐の花 雅子
柿若葉あなたの来日もう近い
今令和 浜昼顔に立ち尽くす 雅舟
夏草や令和の花を簪に 古義軒
見え隠れして令和テントウムシ可憐 雅人
雛罌粟や世俗の全て拭い去り 雅舟