秋祭の憂鬱十首(4)

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   青雲の志持ち故郷を出でし男児の惰眠貪る
  
   百人の力合わせて一台のちょうさが舁けるものとこそ知れ

   我が地区の太鼓一番と競ひ合ふ田舎の古来風潮やなに

   故里に住み着いている田舎人秋祭りには打ち解け騒ぐ

   家族みな太鼓に寄り添ひ八幡さん秋の祭りに打ち解けさわぐ

   ドンデンドン太鼓をたたく子どもらはちょうさにまとひつく秋祭り

   故里の祭りの輪の中に入れざる孤立へ来なる誰彼が居る

   一に同窓会二に故郷三四がなくて五に自分が嫌

   故里の祭り太鼓に男には血湧き肉躍るとふ者もあるなり

   故里を嫌ひ厭ひし我なれど心ならずもここに骨埋める
   
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