芭蕉冬15句

旅人と我が名呼ばれん 初時雨

なや昨日は過ぎて河豚汁

いざさらば 雪見 にころぶ所まで   

今日ばかり人も年よれ 初時雨    

旅に病んで夢は 枯野 をかけ 廻 る 

月雪 とのさばりけらし年の暮  

面白 し雪にやならん冬の雨 

曙や 白魚 白きこと一寸

人に家を 買は せて我は 年忘 れ

初しぐれ猿も 小蓑 をほしげ也 

旅寝して見しやうき世の 煤払 い

ひと 尾根 はしぐるる雲か雪の富士

水仙 や白き 障子 のともうつり

乾鮭 も 空也 の 痩 せも寒の内 

ひごろにくき烏も雪の 朝哉      

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