899 富士の雪盧生が夢を築かせたり 謡曲「邯鄲」白銀の山
901 今朝の雪根深を薗の枝折哉 頼政の如道に迷はず
901 雪の朝独り干鮭を嚙み得タリ 富家は肌肉食らふとは言へ
902 黒森をなにといふともけさの雪 白森と言ふのも野暮にして
903 馬をさへ眺むる雪の朝哉 旅人見るは言ふまでもなく
904 市人よ此笠売らふ雪の笠 末広がりの狂言まねて
905 雪と雪今宵師走の名月か 仲悪しき人取り繕って
906 君火をたけよきもの見せむ雪まろげ 曽良何某は此の辺近く
907 京まではまだ中空や雪の雲 飛鳥井雅章本歌あるなり
908 雪や砂馬より落よ酒の酔 酔馬と言ふ村ありければ