芭蕉発句+雅舟付句
春風に吹き出し笑ふ花もがな 余寒厳しき山峡村里
春雨の木下につたふ清水かな 西行庵の裏の雪解け
春立ちてまだ九日の野山かな 出そうで出ない蓬の若芽
春立つとわらはも知るや飾り縄 脇目もふらず子ら駒回し
春なれや名もなき山の薄霞 旅人時に立ち止まる里
春の夜や籠り人ゆかし堂の隅 声澄み渡る般若心経
春もやや気色ととのふ月と海 画賛にするに格好の景
半日は神を友にや年忘れ 歌仙興行ひっそり立句
ぴいと啼く尻声悲し夜の鹿 孤立無援の識者独り寝