大淀三千風「題一夜庵」


           題一夜庵

   北城山崎竹林軒の陵葉は、九空無窮(たかまがはら)の色をそよぎ、南讃一夜庵の廟松は、万代不変の名をとなふ。信に徳の徳たる事は乾、聡明の気をゆづり、道のみちなる事は坤、敏達の質を潜る。皆これ運の自然にして、しかも心行を琢磨なす事も又天性なれば我とは知らぬ真人と生産(あれ)しをや。信に自負すべき道にあらず、善に本たるべき業にあらず。此理を弁へ知れるを陰徳無我の如法人、大道無心の神人とはいふめる。今ここに対する所の一夜庵主宗鑑禅袂は、不立文字の水を舐めても翰墨をなをざらず。教外別伝の甘かづらを味へても経論を除ず゜。心行彬々たる把不住子也。 (後略)
     木像や蕣数奇の一夜庵
         元禄四未文月上旬        三千風法師   
           
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