不遜さんと巻いた連句「平成万葉歌仙」再録

 平成万葉歌仙三十三「橘や」(花づくし)の巻 両吟   宣長 不遜(捌)    
       起首 2009/12/27(日)  満尾 2010/1/14(金) 〈再録〉

 橘は実さへ花さへその葉さへ枝(え)に霜降れどいや常葉の木  聖武天皇(巻6-1009)

 発句  橘や雪花咲けど常葉の木        宣長  冬
 脇    朝明け映ゆる枯れ菊の野辺      不遜  冬
 第三  顔(かんばせ)のその含咲は華にして 宣 雑
 四    オランダカラシベランダに咲く  不  雑 
 五   市振は芋焼く匂い萩と月        宣  秋月
 六    奥山深山濃き笹竜胆       不  秋
 ウ
 一  うはぎ煮る時季も過ぎたり秋の風   宣  秋
 二    シンビジウムを君に捧げん         不  雑恋
 三  妃殿下の思慕のクラウンプリンセス  宣 雑恋
 四   狐の孫さん恋しい季節       不 雑恋
 五  白薔薇のブーケ捧げるお稲荷さん   宣 雑恋
 六   一月元旦先ずは福寿草       不 新
 七  プリムラの鉢が迎える年始客      宣 新
 八   向日葵の上月も燦々        不 夏月
 九  お辞儀草昼の疲れでぐっすりと    宣 夏
 十     ペパーミントの心地よい風      不 雑 
 十一 日本人この花咲くや姫が好き     宣 春花
 十二    梅と桜と今は山帰来         不 春
 ナオ
 一  口遊む「忘れな草をもう一度」    不 春 
 二    渇く心に馬酔木の匂い        宣 夏 
 三  どこもかしこもベコニアばかり    不 夏
 四    瓔珞草に戯るる月             宣 秋月
 五   千谷来て朝顔に秘む色懺悔       不 秋恋
 六   ケーオーボーイハートミセバヤ   宣 秋恋
 七  侘助に昔の芸妓夢うつつ       不 冬恋
 八   孤悲の形の寒葵咲く        宣 冬恋  
 九  ミモザとは何処かで見たぞコンニチハ 不 春
 十     酒の肴にかたかごを摘む         宣 春
 十一 シクラメン・豚の饅頭好きよ好き     不 春
 十二    のんびりゆっくり河骨の歌       宣 夏
 ナウ
 一  木の窪みこんなところに岩鏡      不 夏
 二   鬼婆ロープ巻くクレマチス        宣 雑
 三  誠なる伊丹の俳人寒牡丹        不 冬
 四   蝋梅の待つ酒蔵文庫         宣 冬 
 五  あちこちと寄り道しつつ花の山     不 春花
 挙句  奈良九重の藤の明光         宣 春