子育てに苦労重ねて今は亡き痛まし憐れ【哀哀父母】は
吾子亡くした親でなければ分からない生きておれば今【死児之齢】は
孝行をしたい時には親はなし風に揺れる木【風樹之歎】は
弟に死なれ琴弾くこともかなわざる悲痛の叫び【人琴之嘆】
彼岸と此岸死後と現世異にする死に別れなり【幽明異境】
喪に服し憔悴をして寝台を支えるがやっと【鶏骨支床】
亡き友人哀悼をして述懐す供え物なり【斗酒隻鶏】
西河にて子の死を聞いて悲嘆にて失明せしという【西河之痛】
限りなく広がる夜と永久の闇のあの世は【広宵大暮】
親友の琴の名人喪って茫然自失【伯牙絶弦】