カラスの歌句

 近日発行予定の小池光著『うたの動物記』は、詩歌に詠まれた動物を、その生態、文化的側面にも注目して、縦横無尽にユーモラスに鑑賞する105編のコラム。

馬・秋刀魚・キリン・コオロギ・とんぼなど105 種の動物が挙げられている。

【カラス】野口雨情の童謡「七つの子」は七羽ではなく、七歳の子。人の子供のかわいい盛りとみなす。

 その行方ひんがし北へからす川音は寂しく流れけるかな 斎藤茂吉

出羽三山の一つ月山に流れる「からす川」の寂しさが詠まれているとみる。

 行水の女にほれる烏かな 高浜虚子 

カラスの行水を逆手に取り、人を食った句で、爆笑。