330: 藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君
413: 須磨の海女の塩焼き衣の藤衣間遠にしあればいまだ着なれず
1471: 恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり
1627: 我が宿の時じき藤のめづらしく今も見てしか妹が笑まひを
1901: 藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ
1944: 藤波の散らまく惜しみ霍公鳥今城の岡を鳴きて越ゆなり
1974: 春日野の藤は散りにて何をかもみ狩の人の折りてかざさむ
1991: 霍公鳥来鳴き響もす岡辺なる藤波見には君は来じとや
2971: 大君の塩焼く海人の藤衣なれはすれどもいやめづらしも
3075: かくしてぞ人は死ぬといふ藤波のただ一目のみ見し人ゆゑに
四月四日 シアワセの日に 藤咲いて なだらか心 示してゐたり