非凡なる凡人(10首歌)

非凡なる凡人というが適評か平凡なる社会がつねに要求 
テーブルに向かい椅子に腰をかけて一心になって何か読んでる

日曜のいい天気なると何の本か脇目ふらず暗誦するほど熟読 

これを座右に置いてを作りしものはこの書なり」と明言

帰省の計画を立ててそのつもりで貯金したことは非凡ではないか
三十一年にめでたく学校を卒業 給料十二円で雇われ 職分を忠実に
大いなることをしている 兄なる人『西国立志編』を繰返して読み 

彼は無人の地にいて我を忘れ世界を忘れ身もも今かくまでに

まじめなる壮厳に打たれどうか僕の友のためにをあげてくれたまえ
明治期の国木田独歩の名編が「非凡なる凡人」今甦る