大平総理の「60点の政治」

⋯タイトル「岸田首相に贈る大平氏の言葉」⋯10 月10 日の朝日新聞の日曜随想に「岸田首相に贈る大平氏の言葉」が載せられている。「岸強権政治から池田対話政治への転換」を体現したのは大平正芳官房長官だった。「60点の政治」が終生の訴えだった保守政治家である。自分だけが満点だと思うあまり、独善と排他に陥る危険を戒めた至言だろう。池田派の流れを継ぐ新首相が本当に帰納すべきは大平氏のこの言葉ではないか。    編集委員 曽我 豪