万葉賀歌

   明けましておめでとうございます     令和4 年元旦
 日本最古の歌集『万葉集』の中で新年を寿ぐような歌を十首選んでみました。

① 正月(むつき)立ち春の来たらばかくしこそ梅を招(お)きつつ楽しきを経め

② 新しき年の初めに豊の年徴(しる)すとならし雪の降れるは

③ 新玉の年替えるまで相見ねば心もしのに思ほゆるかも

④ あしひきの山の木末のほよ取りてかざししつらくは千年寿(ほ)くとぞ

➄ 正月(むつき)立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも

⑥ 新しき年の初めはいや年に雪踏みならし常かくしもが

⑦ 降る雪を腰になづみて参り来し験(しるし)もあるか年の初めに

⑧ 新しき年の初めに思ふどちい群れて居れば嬉しくもあるか

⑨ 初春の初子(ね)の今日の玉箒(たまばはき)手に執るからにゆらく玉の緒

⑩ 新しき年の始の初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)

 萬葉集古義』 江戸後期の『万葉集』の注釈書。一四一冊。鹿持雅澄著。草稿成立は文政一一年(一八二八)頃、天保一一年(一八四〇)完成後も天保末年(一八四四)頃まで改正を重ねる。「万葉集」本文の注釈を主体とする万葉集総合研究書で、それまでにない精密さをもつ。明治天皇の命により明治一三~二三年(一八八〇‐九〇宮内省刊。

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