碑(石文)・紙碑

 碑は公表されているもので、マル秘ではないはずだ。文書(もんじょ)となると、そうはいかない。最近の個人情報の問題にもかかわり、厄介になる。本人(当事者)の許可・承認を得るのが本筋であろう。すべてにそれを求められたら、表現の不自由にかかわるから、微妙なところ。裁判になればまた簡単にはいくまいが、ごく常識的に(良識的に)なされていいと考える。

 創作表現活動におけるモデル問題にめくじら立てていた日には前に進まない。個人攻撃や非難・批判は別にして、現実を念頭に置かずに何が書けるというものだ。有名な作家において、名誉棄損とまではいかなくとも、私生活の反映にクレームをつける者もいるらしい。損害賠償にまで至るとも聞く。平凡な一市民が書く雑文にまで迫られてはたまらない。おおらかに他人の書いたもの(人生の綾)に学ぶものがあるはずだ。

 一方、苦労話を書いてほしいと言う人もいる。話はできても系統立てて書ける人は少ない。〔自叙伝〕は誰でも書けるが、興味を持って読んでくれるような名文は難しい。中には文才があって、書けば必ず読んでもらえるのに、書き溜めるだけにしている人もいる。惜しいことだ。せめて【紙碑】にして簡潔にまとめておくと、いつか立ち上がる時がくるであろう。煎じ詰めれば、詩歌の形に集約・凝縮することかもしれない。

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