『万葉集』雪中の梅花

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朝臣廣辨ひろべが雪のうちの梅の歌一首

1641 沫雪に降らえて咲ける梅の花君がり遣らばよそへてむかも

 

安倍朝臣奥道おきみちが雪の歌一首

1642 たならひ雪も降らぬか梅の花咲かぬがしろにそへてだに見む

 

三野連石守いそもりが梅の歌一首

1644 引きぢて折らば散るべみ梅の花袖に扱入こきれつまば染むとも

 

忌部首黒麻呂が雪の歌一首

1647 梅の花枝にか散ると見るまでに風に乱れて雪ぞ降り来る

1651 沫雪のこのごろ継ぎてかく降らば梅の初花散りか過ぎなむ