滅びの美学

生き物の群れ美しき屍は消失消滅肥やしとなりて

うようよと老残老醜溢るればいかに世の中持ち堪え得ず

自ら去り行くものを惜しまずに次世代のため祝福をする

順繰りに親子孫へと死んでゆけ逆縁などは禁じておるぞ

次々に空き家となりて人も住まずそうち新家新人現る

滅びゆくもの麗しや火中の栗拾うなかれと忠告をする

良き友は皆死んでゆきその後を追うように又我も去りゆく

金品に地位名誉など虚妄にて裸のままで召されるるままに

なんという爽やかなこと秋天の澄み渡る空その果てに往く

幻の女神の母が抱き寄せ天に召さるる至福の時待つ