雅歌仙第12巻「二度若葉」の巻 雅澄 雅博 両吟 令和4年12月17日 満尾
1 二度若葉して落葉を急ぐ暮の柿 雅澄
2 たわわな枝にモズ群れし日も 雅博
3 種蒔けば天の恵みの滋雨ありて 澄
4 一蹴決める師走の朝に 博
5 奇跡とは復活イエス救世主 澄
6 信でつないで核持つユダヤ 博
7 診断を待つ現代の科学の世 澄
8 今朝も快調知らぬが仏 博
9 同窓会生前葬と言い得て妙 澄
10 心残りの矢切の渡し 博
11 パンドラの匣より希望羽ばたいて 澄
12 我慢できないこれ玉手箱 博
13 憂ウツのウツの字書けずメランコリー 澄
14 現し身が空蝉眺めをり 博
15 子の前に蛍となりて母の魂 澄
16 独り覚めたる寒空の月 博
17 冬モミジバフウの香り通学路 澄
18 街路樹育てる楓雅冬彦 博
19 雅号より法名が似合う歳になり 博
20 伊勢十八歳の白菊の紅 澄
21 今はとて面影ばかり浮かばれる 博
22 己が世となり疎くなりゆく 澄
23 年賀状止めようと言う友ありて 博
24 喪中はがきの返礼至難 澄
25 三百字覚えられない般若心経 博
26 挑戦という前向きの年 澄
27 冬木立やせても我慢葉一枚 博
28 スリムになった君ソクラテス 澄
29 風吹けば釈迦の言葉も飛んでいく 博
30 讃岐山脈初雪けはふ 澄
31 キリキリと那須の若武者弓を引く 博
32 芸術至上瀬戸の冬虹 澄
33 天上に届きかねたる神の橋 博
34 蓬莱飾り宅配便で 澄
35 花咲か爺春待つ人がここにいる 博
36 共存共栄令和の悲願 澄
令和4年ほぼ一年間にこの雅歌仙12巻を巻くことができました。好調不調の波はなく、淡々と自在に気の向くまま交信することができたように思います。初めは式目にできるだけ従って詠んでおりましたが、季節その他に捉われず五七五・七七と続けるだけになりました。在来の歌仙の約束「式目」を破っているので、公には認められない、新連句・令和歌仙であります。いわば令和型破り【新連句観音寺歌仙】とでも名付けておきましょうか。二人だけで始めましたが、仲間が出来て三人四人もっとたくさんの人びとが参加してにぎわってくれるとうれしいです。
興昌寺境内‹の一夜庵に没した山崎宗鑑は俳諧連歌師で、日本で初めて「発句」の独立→俳句の誕生の文学史的功績のあった地元讃岐香川県禍観音寺市において、このような【遡源的創作】が広まることを念じてやみません。今後多くの参加者があることを期待します。只今ブログをネット配信しています 「雅歌仙」①~⑫で検索して下さい。