一葉作品の中の女性10人          

たけくらべ」の美登利は筒井筒の物語のように眞如と相会うことはない

にごりえ」のお力は娼婦になるしか残されていない絶望的な女

「十三夜」のお関は出直しのきかない女の人生の不条理破綻

「大つごもり」のお峯は美徳のヒロインで性的には描かれていない

「われから」のお美尾は夫を捨て幻想など抱いていない悪女

「わかれ道」のお京はどうしようもない無形の孤絶を受け止めている

「裏紫」のお律は夫を裏切り世の桎梏に縛られない淫女

「やみ夜」のお蘭は被害を受けた女の怨恨復讐に重心がある

「うもれ木」お蝶は男を憎みながらも恋しさを断ち切れず煩悶す

「別れ霜」のお峯は盗みの決意から正直律儀の美徳を捨て去る