虚子境涯10句選

遠山に日の当りたる枯野かな

春風や闘志抱きて丘に立つ

秋風や心の中の幾山河

流れ行く大根の葉の早さかな

芭蕉忌や遠く宗祇に遡る

祖を守り俳諧を守り守武忌

山国の蝶を荒しと思はずや

有るものを摘み来よ乙女若菜の日

海女とても陸こそよけれ桃の花

虚子一人銀河と共に西へ行く