純情・多情

純情な少年一体いつの間に老獪という甲羅背負いて

素朴なる島にありても娼婦という素質もちたる純情乙女

情愛はほどほどにして次の事頭に描く小女もあり

好まれるはずのない多情 多恨を伴ってそれでもこの道只管に

交情と言うに幼い歳のまま巣立って返らぬ島の鳥たち

時過ぎて濾過されるありどろどと今も流れ続けるもあり

まだ時機のあるやもしれぬ初の恋大方は離ればなれの空へ