森のふくろう歌仙(11)「渦巻は」の巻

  森のふくろう半歌仙(11)「渦巻は」の巻 三吟

渦巻は四国立ち寄り秋遍路     雅博

 ぐるぐる遍路逆打ちはせず    光瀧

台風はどこ吹く風ぞ瀬戸の虹    雅澄

 七味振りかけウドン吹く夏     博

無花果に風穴をふと思い出す     澄

 樹海の下に広がる腐海       博

芥川蜜柑短編快き          澄

「かれは何ぞ」と白玉の露      博

魂のたとえば秋の蛍かな       澄

 風船かずら風にゆらゆら      博

行先は変幻自在独り旅        澄

 いたちごっこだ山の草刈り     瀧

炎天下えんえん続く輪廻かな     博

 三十六歩のマーチが歌仙      澄

いつか見た元気な時代気恥ずかし   博

 花鳥風月おもげの国        澄

手の振れが芸術を生む老の技     博

 さりげなく描く俳諧の友      澄

忍ぶれど頬が緩んでよだれ垂れ    博

 雀変じて蛤となる         澄

我が先祖アダムもイブももとは土      博

 エデンの東西方浄土           澄

喉仏詰まったリンゴ何の味         博

 無味乾燥の総裁戦乱           澄

忍ぶれど頬が緩んでよだれ垂れ       博

 雀変じて蛤となる            澄

我が先祖アダムもイブも元は土       博

 エデンの東西方浄土           澄

喉仏詰ったリンゴ何の味          博

 無味乾燥の総裁戦乱           澄

長月や半ば過ぎても晩夏かな        瀧

  Tシャツ我慢今年は伸びる              博 

鳴き寝入りいたちごっこのちちろ虫     澄

 今朝のコーヒー久し振りほっと      博 

彼岸花時節を知りて咲き始め        瀧

 青春のなき散華の兵士          澄

ゲートルの学徒進軍ミートキーナ      博

 諸葛孔明五丈原の月           澄

光る竹ここにありけり光る瀧     博

   やがて実用空飛ぶ車         澄

前兆は神の耳うち謹慎す       博 

   女郎花また男郎花儚し        澄