一茶と専念寺

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元日やさらに旅宿とおもほへず 一茶   香川県観音寺市大和町専念寺の一茶句碑

 かつて一茶の師である二六庵が世話になった専念寺。後年、一茶も又ここで歓待してくれたそのお礼の句である。

 田辺聖子の『ひねくれ一茶』には冒頭近くに次のように書かれている。

 四国では観音寺町の専念寺で年を越した。俳人法師の五梅がよく世話をしてくれて、わが家のような居心地よさ。〈元日やさらに旅宿と思ほへず〉という句をよんだほどだ。一茶は八十一で死んだ師の二六庵竹阿をみとり、竹阿の、西国の弟子たちを廻り歩いたのである。だからどこへいっても一茶より年上の人々ばかりだった。

〔補注〕寛政4年に一茶が専念寺に泊まった時、師の竹阿が建てさせた芭蕉句碑「早苗塚」も見届けたと推察される。即ち、一茶も琴弾八幡宮に立ち寄ったはずである。