仁尾 蔦島 野口雨情の小唄あり
啼いて 夜更けて
千鳥が渡る 沖の蔦島 月あかり
今もその千鳥はチ、チ、チと渚に遊ぶ
風の渚に一羽が佇む
更にもう一羽が距離を置いて佇む
いつまでも そのままで
しばらくの後、二羽が近づく
かたずを呑んで見守るに
結ばれることなく飛び去る一羽
取り残された一羽は追っかけない
じっと孤独に耐えて
夕闇迫る渚に佇む 千鳥一羽
その潔さよ 私に欠ける独りの哀しみよ