瀬戸内国際芸術祭2010、唯一岡山県【犬島】

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          犬島
 古くは良質の石が採れる採石場、近代では大規模な銅の精錬事業を行った跡がその姿を今に残す。「犬島アートプロジェクト『製錬所』」など、近代化産業遺産を保存・再生し、美術館として蘇らせた犬島は、新たな芸術の情報発信地。 残存文化財発掘、再認識の意味もある。
 
 岡山県岡山市東区宝伝から船で5分の島。
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 平安時代に犬を追放したという場所。『枕草子一条天皇の可愛がる猫「命婦おとど」に飛びかかった犬の翁丸に対して、天皇が「この翁丸うちてうじて、いぬしまへつかはせ」と命じたとの話が見える(うへにさぶらふ御猫)。北村季吟枕草子の注釈以来、この犬島を指すとされてきたが、藤原秀能の『如願法師集』に「いぬしまや 中なる淀の渡し守」の句が見えることなどから、淀川のあたりにあったとも言われる。
 
 犬島全体を「建築・現代アート・環境」による新たな循環型社会のモデルとすることを目指し「犬島アートプロジェクト」を推進。
 銅製錬所跡に美術館「製錬所」が2008年4月にオープン。巨大な煙突や発電所の跡、カラミ煉瓦で造られた工場の跡などをそのまま残し、建築家の三分一博氏が、環境に負荷を与えない建物を設計。かつて三島由起夫邸の廃材や銅の精錬過程で発生するスラグ、島で切り出される石や、巨大な鏡、映像、音などを館内の4つのスペースで一つの作品として展示。
 鑑賞者が集落を散策しながら、島の生活風景と作品を楽しめる。2010年6月から段階的に、2012年に全て完成する予定。現在はその途中段階である。
 精錬所の廃墟をうまく利用して、歴史の推移をまざまざと見せつけ、我々に訴えるものがあります。直島製錬所がそうだと思いますが、時代遅れになってしまった工場の跡、取り壊しもままならぬ残骸。人間のなすわざのはかなさをつくづくと感じた一日でした。「明朗」であるべき一日の終わりに《癌宣告》を受けてみれば、正常心ではいられません。