必携の大辞典

『俳文学大辞典』
 
 連歌から現代俳句まで総称すれば「俳文学」その辞典であるのがいい。「俳諧辞典」ならば、古典的であり、「俳句辞典」ならば、近現代的なものになるからである。
「宗鑑」も約1ページ、しっかりと入っているし、永田耕衣も半ページ割いてくれている。
 【宗鑑】は「晩年讃岐国観音寺に赴き興昌寺一夜庵に没したとする『一夜庵建立縁起』などの説については、現在確証がない」「生没年未詳」の連歌師俳諧作者として記述されている。
 宗鑑直筆短冊「みやこいでゝけふはみかんのはじめ哉」が掲げられているのも本書が初めてである。宗鑑流の書体で個性溢れる作品。
永田耕衣】は俳人。明治三三(1900)・二・二一~。兵庫県加古川生れ。本名、軍二。第2回現代俳句協会大賞(平成2年)受賞(第1回は加藤楸邨)。耕衣俳句として「超時代性と卑俗高邁の精神を標榜」「若い詩人仲間からも注目」された。代表句は「夢の世に葱を作りて寂しさよ」「朝顔や百たび訪はば母死なむ」が挙げられている。
 巻末には「著名物故俳人一覧」(平成7年~平成19年)の中に「~平成九(1997)・八・二五。九七歳。