夾竹桃が夏空に映えて薄紅の花が故里の川沿いの土手に見事でした。
…康子は照子を実の娘と思って接し、しだいに照子もなついてくるが、康子はあまりにも几帳面な性格であった。とにかくしつけに厳しい。それは、照子を立派な娘に育てるためという思いからだが、照子にはその思いは伝わらない。二人の距離は遠くなる。 そのころ、父親が事業に失敗し、再び再起を図るためアメリカに行ってしまう。財産を失った照子たちは東京郊外の粗末な家に引っ越す。そこでの貧乏な生活が、照子と康子の距離を縮めて、二人は本当の親子のようになっていく…