神社と神話の話

『日本の神々と神道』三橋 健
 巻頭見開きのカラー写真に三輪山を載せている。三輪山は神霊の鎮まる神名備山である。麓にはわが国最古の神社、大神神社が鎮座している。
 本書の構成は、(1)神社参拝の作法と心得、 (2)神社の意味と神道の歩み、(3)まつりと祝詞、こういう基本知識の図解的説明と、間口を広げた(4)神話の世界と八百万の神々となっている。
 (4)の〈日本の神話〉に注目すると、『古事記』(上巻)を読む手助けとしてかなり詳しいあらすじが書かれている。その後「記紀神話で活躍する神々」「民間信仰の神々」の〈神様カタログ〉がおもしろい。料理人の神(磐鹿六雁命)・酒造の神(大神神社)・菓子職人の神(多遅麻毛理)・宝石の神(玉祖命)・衣服織物の神(棚機津姫)・科学の神(八意思兼神)というように挙げればきりがない。
 一方、神になった偉人も数多い。柿本人麻呂は和歌の神様。「火とまる」で火除けの神、「人うまる」で安産の神を兼業(雅)