菊池寛「座右の銘」

 
   菊池寛文学碑(高松市番町第一法規前)

    不実心不成事 不虚心不知事   (出典『菜根譚』)
    (実心ならざれば事成さず、虚心ならざれば事知らず)
 
    前半の大切さは言うまでもない。後半の「虚心」が言いたいのだ。
    「虚心坦懐」にして事の真実は分かる。「汚れた心」「曇った心」「濁った心」
    そのような心では物事の真実を正しく理解できない。
           文学の本質を考えても近松の「虚実皮膜論」がある。
     人生世渡りの駆け引きで「虚々実々」の生き方もある。
     この両者の使い分けが大切で、つい間違うと落伍者になる。
    
 建立 昭和28年11月20日菊池寛生誕日)