葦・薄・荻の区別

 
ヨシとオギの区別法は、葉に縦線が有るか無いか。ヨシの穂は茶色っぽく、左右に枝分かれしている。オギは、ススキともよく間違えられる。外部形態が酷似。、古典文学においてオギとススキが区別されていたかどうかは疑問。
 
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              ススキ(オバナ)
 
ヨシ(アシ) 
 ヨシまたはアシ(葦、芦、蘆、葭)
 「ヨシ」という名は「アシ」が「悪し」に通じるのを忌む忌み言葉。関東では「アシ」、関西では「ヨシ」が一般的である。標準和名としては、ヨシが用いられる。
 万葉集に50首詠まれている。 
 葦辺行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ.(巻2ー128)
 
ススキ(芒、薄)、別名オバナ(尾花)
 ススキ(薄) オバナ(尾花) カヤ(萱)を含め『万葉集』で46首詠まれている。
『和名抄』に「新撰萬葉集和歌云 花 波 奈須須岐」 ヲバナと同義の「花ススキ」
 ススキが16首、オバナが19首、カヤが11首。
 はだ薄尾花逆葺き黒木もち造れる室は万世までに(巻8―1637)
 ススキの語源は茎(煤茎)に由来。これに関しては、平安時代の和歌で「すぐろのすすき」を詠ったものがある。
 
オギ(荻)
 ススキの穂に似ているが、長さが25~40cmと大きく密につく。小穂は5~6mで、基部には銀白色の長毛が密生している。葉は縁がざらつき長さ50~80cmの線形で基部は長い鞘になる。花期には下部の葉は枯れてしまう。ススキのように株は作らない。
 万葉集176首 (荻の風、荻の声).  
 神風の伊勢の浜荻折り伏せて旅宿やすらむ荒き浜辺に(巻4ー500)