「花の陰硯にかはる丸瓦(明治20年建立)の裏面に以下の15句が刻まれているが、
判読に難渋する。
空に道あとこそ見えね子規 | 東京 | 幾雄 |
春浅き松の木立や象頭山 | 松山 | 鶯居 |
嗚呼ひろしはせをのかけは唐大和 | 三ツ浜 | 其式 |
時雨にはうこく日のあり象頭山 | 当国 | 梅園 |
うち返す嵐もなくて花の浪 | 仝 | 丘霞 |
古池にそたつ蛙や花の本 | 仝 | 梅径 |
花の香も世にたくひなし象頭山 | 仝 | 支樗 |
神垣に初日かゝやく象頭山 | 仝 | 鶴居 |
色かえぬ松尾の山のしけりかな | 仝 | 一松 |
是かまふ神の留主とは象頭山 | 仝 | 梅里 |
涼しさや神風うけし袖たもと | 仝 | 其年 |
琴平や下向きまむゆき年参り | 仝 | 桃阿 |
仰むいて香にうつむくや花の下 | 仝 | 江甫 |
また山に日か暮のこりて初霞 | 仝 | 来帰 |
見おろせば霞を帯て讃岐富士 | 伯州 | 梧雄 |
中ほどの「花の香も世にたぐひなし象頭山 支樗」は、私の曽祖父門脇隆三の句。