「悲」の位相差

「悲」の意味

「悲しい」は好ましくない事態に接し、心が痛む悲哀の情。また「哀しい」と書いて、かわいそうで哀れに思う同情心にも使う。

【悲しい】運命=悲境、逆境、悲運  悲しい思い=悲観、哀れ  悲しい知らせ=悲悲しい調子=哀調、悲調  悲しい目=憂き目  悲しい別れ=哀別、泣別  悲しく哀れ=哀切、哀痛、悲哀  悲しく傷ましい=酸楚、悲愴、悲痛、悲傷  悲しく寂しいこと=悲涼、感傷  悲しく辛い=遣瀬無、気苦、遣方無  悲しくてたまらない=愁絶  悲しくも勇ましい=悲壮  悲しそうな顔=憂顔  悲しそうなさま=哀哀、侘 悲しそうな目つき=否目  なんとなく悲しい=遣瀬無し 

【悲しみ】 悲しみで心を暗くする=暗然、闇然  悲しみで胸が一杯になる=咳き上げる、胸塞がる  悲しみと楽しみ=哀楽  悲しみと喜びを共に味わう=悲喜交々  悲しみに沈む=思い湿る  悲しみに沈むさま=凄然、暗暗、愁雲  悲しみの歌=エレジー、悲曲、哀詩、哀歌、悲歌  悲しみの極み=血の涙、袖の氷、涙の底  悲しみの涙=紅涙  悲しみの深さのたとえ=思いの淵  悲しみを思い遣る=忖度、同情  

【悲しむ】 悲しみ哀れむこと=哀憫  悲しみ憤ること=悲憤、慨嘆  悲しみ悼むこと=哀悼  悲しみ愁う心=愁緒  悲しみ惜しむこと=哀惜  悲しみきれないこと=嘆余  悲しみ続ける=嘆暮  悲しみ嘆く=痛哭  悲しむべき状態=悲況  悲しむ様子=暗然  悲しんで泣く=哀泣、悲泣、慟哭

 

「雨」100語

▼雨の降り方⛆降水、雨気、雨意、雨天、雨模様、降りみ降らずみ、降り頻る、小降りになる、本降り、大雨、小雨、霖雨、豪雨、土砂降り、照り雨、天気雨、涙雨、小糠雨、天泣、零雨、遣らずの雨、気違雨、白雨、屡雨、漫雨、通雨、夕立、急雨、俄雨、驟雨、村雨,細雨、軽雨、氷雨、淫雨、宿雨、慈雨、御湿、甘雨、霊雨

▼時雨に関わる雨☔春時雨、秋時雨、霧時雨、露時雨、雪時雨、北山時雨、液時雨、片時雨、小夜時雨、夕時雨、村時雨、横時雨

▼梅雨に関わる雨☂返梅雨、梅雨入,梅雨寒、梅雨冷、照梅雨、走梅雨、梅雨上、梅雨時、菜種梅雨、戻梅雨、送梅雨、空梅雨、白映、梅雨晴、梅雨明、梅雨空、入梅、五月雨、長雨、卯花腐、梅雨、梅霖

▼雨でない雨※雨飛、弾雨、虫時雨、落葉時雨、霧時雨、蝉時雨、露時雨、袖時雨(涙)、木葉時雨(落葉)、時雨心地、涙の雨(涙)

センバツ球児 ☆100人の名前

 温人 隼人 拓人 真人 理人  遥人 勇人 海人 陽大 優大 勇大 詩大 大成大吾 大和 大翔 大貴 芯汰 悠太 颯太 幹太 晃太 詩太 蒼太 光流 光硫 光絆 希空 純希 琉星 楽久 陸斗 拓斗 翔吾 鉄将 佑真 清真 憑駕 魅影 郷士 主衣 由宇 鉄将 礼生 悠生 勇吾 羽次 芯汰 鉄将 智将 翔輝 翔舞 陽翔 海翔 留偉 伊眞 真心 研心 元気 龍月 周悟 貫汰 澄空 仁功 泰地 夕馬 遥斗 成夢 日向樹 蓮太郎 冴太郎 凛之介 颯之介 銀之助 颯 航 希 海 暖  団 悠 慧 洸

 

 

漱石の「連翹」俳句

 連翹の奥や碁を打つ石の音  漱石 

 春には黄色い花が多い。連翹(れんぎょう)もその一つだ。渡辺桂子に「連翹の何も語らず黄より葉へ」とあるように、早春、葉の出る前に鮮黄色の四弁花をびっしりと咲かせる。これから咲きはじめる地方もあるだろう。句景は、まことに長閑。通りかかった連翹の咲く家のなかから、パチリパチリと石を置く音がしている。暖かいので、縁側で打っているのかもしれない。この句を読んで、母方の祖父を思い出した。リタイアした後は、毎日のように碁敵の家にいそいそと出かけていた。そんなに面白いものなら教えて欲しいと頼んでみたら、「学生はこんなもの覚えるもんじゃない」とニベもなかった。「時間ばかりかかって、勉強の邪魔になる」というのが、彼の拒絶理由であった。そこで私はひそかに入門書を買ってきて、なんとか置き方を覚えたところで、悪友と一戦まじえてみることにした。二人ともド素人だから、いま思い出しても悲惨な戦いだった。要するに、力の限りのねじり倒しっこ。加えて私は短気なので、辛抱ということを知らない。まるで碁にならないのである。性に合わないと間もなく悟り、すっぱり止めてから四十年。『漱石俳句集』(1990・岩波文庫)所収。(清水哲男

  漱石に連翹の句があることを初めて知った今朝の悦び  雅子