「悲」の位相差

「悲」の意味

「悲しい」は好ましくない事態に接し、心が痛む悲哀の情。また「哀しい」と書いて、かわいそうで哀れに思う同情心にも使う。

【悲しい】運命=悲境、逆境、悲運  悲しい思い=悲観、哀れ  悲しい知らせ=悲悲しい調子=哀調、悲調  悲しい目=憂き目  悲しい別れ=哀別、泣別  悲しく哀れ=哀切、哀痛、悲哀  悲しく傷ましい=酸楚、悲愴、悲痛、悲傷  悲しく寂しいこと=悲涼、感傷  悲しく辛い=遣瀬無、気苦、遣方無  悲しくてたまらない=愁絶  悲しくも勇ましい=悲壮  悲しそうな顔=憂顔  悲しそうなさま=哀哀、侘 悲しそうな目つき=否目  なんとなく悲しい=遣瀬無し 

【悲しみ】 悲しみで心を暗くする=暗然、闇然  悲しみで胸が一杯になる=咳き上げる、胸塞がる  悲しみと楽しみ=哀楽  悲しみと喜びを共に味わう=悲喜交々  悲しみに沈む=思い湿る  悲しみに沈むさま=凄然、暗暗、愁雲  悲しみの歌=エレジー、悲曲、哀詩、哀歌、悲歌  悲しみの極み=血の涙、袖の氷、涙の底  悲しみの涙=紅涙  悲しみの深さのたとえ=思いの淵  悲しみを思い遣る=忖度、同情  

【悲しむ】 悲しみ哀れむこと=哀憫  悲しみ憤ること=悲憤、慨嘆  悲しみ悼むこと=哀悼  悲しみ愁う心=愁緒  悲しみ惜しむこと=哀惜  悲しみきれないこと=嘆余  悲しみ続ける=嘆暮  悲しみ嘆く=痛哭  悲しむべき状態=悲況  悲しむ様子=暗然  悲しんで泣く=哀泣、悲泣、慟哭