2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
情報化の時に生きたる現代人伝えられない「にほひ」というもの 「いろはにほへと」の「にほへ」は匂いにあらず照り映える視覚です 現代の「匂い」は嗅覚香りですこれを届ける術なきものか 悪臭があっては困る視聴覚だけの世の中これも佳とせむ 線香とか抹香…
森川義信「勾配」詩碑 香川県観音寺市粟井町本庄
「勾配」とは 1 水平面に対する傾きの度合い。傾斜。また、斜面。「勾配の急な坂道」「勾配を登る」 2 数学で、直線の方向を示す数。直線がx軸の正の方向となす角の正接で表される。傾き。方向係数。 3 物理学で、速度・圧力など物理量の大きさが位置によ…
同窓の戦死者いても知らぬ顔して戦後七十五年令和に生きて
戦死した友を憶ふ 森川義信(自分も五年後二十五歳で戦病死) 友よ お前は二十歳 ひととき朔北の風よりも疾く お前の額を貫ぬいて行つたものについては もう考へまい わたしは聞いた大きな秩序のなかに ただ 激しい意欲を お前の軍靴の音を わたしの力いつぱ…
高等学校現代文(筑摩書房)『演習国語Ⅱ』では、森川義信の代表作「勾配」が載せられている。 〔参照〕 詩人・鮎川信夫「死んだ男」 勾配 森川義信 非望のきはみ 非望のいのち はげしく一つのものに向かって 誰がこの階段をおりていったのか 時空をこえて屹…
前々から気になっていた「勾配」詩碑文字に白石灰を入れ、読みやすく致しました。 高校教科書(筑摩書房)副読本に掲載されています。
松花江(スンガリー)に棄てられた財満日本人はその数幾人か知れず 上掲、38年前の高校生の読書感想文を紹介します。
白雲の沸き起こるけふ梅雨明けてコロナに立ち向かふ勇気湧き起こる 白百合の路傍にありて呼びかけてとくれるあなたの声なき声よ 白鷺は独りに徹す性をもつ救ひ求めぬ我には親し
言うべきこと言うのは大事と思い込み言ってしまえば身も蓋もない 何もかも包み隠さず言う人ありそのお喋りは許されますか 自己吹聴ともなってくると淀みなく自己宣伝のしゃべくるなりけり 自慢話苦労話に悪口まで滔々と言う人多いこと 何人と遊んだという男…
本山寺五重塔の下にある満洲開拓慰霊堂かな 四国八十八か所札所70番本山寺
通勤の途中に見たる撫子よ梅雨明けの君と呼んでみるなり
高津運八は小生の先輩で特攻死している。詩人森川義信と同郷で一般墓地にある。 陸士〈陸軍士官学校〉に合格するのは優秀な人なのだが、高津運八の父親(哲学者)は「うちの倅は人殺しの学校に入った」と嘆いていたいう。お国の為には身を捨てて何か悔いある…
半世紀前、松崎キミ代が世界女子卓球大会で優勝、ふる里高瀬駅に凱旋した時の小生の祝福句。〔カンナ燃ゆ駅に松崎帰り来し〕 「咲く」ではない「燃ゆる」ごとし。 先年そのことを本人に告げたところ、殊の外喜ばれたので、俳画にして献呈すると更に喜ばれた。
森川義信「勾配」詩碑は梅雨明けても、文学を知らない田舎人は訪れることなし。
論ずるにはあまりにもはかない「戦没詩人」森川義信。生前わずかな付き合いながらこの親友を終生「詩の神」のごとく崇敬した鮎川信夫。その研究書は少なくとも上掲五冊がある。わずかなページに特筆されてはいるが、森川崇拝者の小生が見落としたら大変であ…
道沿いの九柱皆羽野さんで、戦死されたのでありました。高瀬川沿い今日の発見。(私事、郷土戦没者の霊魂に取り憑かれ、コロナ禍の夢遊病者、『俳諧の風景』の作者 讃岐野徘徊の野人)
人間に見られなくとも野にあるものすべて自ら全うして生き
戦時下に派遣されたる義勇隊古き写真に蝉飛び来る 自らのはかなさ知らず蝉も人も真夏の喘ぎ叫び沈めて 命ある夏の束の間声上げて答えなき問に苦しんで居り
観音寺松原写生日記「松よ今、平成の琴を弾け」があります。
中国東北地区に父親を喪いし戦没遺児の現地訪問。日中友好の旗印のもとに(於 瀋陽) 戦後75年 若き日に 新天地を求め 第二の故郷を大陸に進出(侵略とも知らず) 令和の今、ほとんど生き残っている若き拓士はいない。この国策の過ちと国民の無残さを語り…
生死不明のあなたには手紙書いても出せないです。
鳥も人も独りは哀し されどまた 生き物は皆独り生まれ 独り死んでいくもの ご存じ燧灘・三豊干拓の海辺(山田~花稲)
香川県観音寺市粟井町本庄、鞠川義信生家前に「勾配」詩碑あり。見学自由。 「非望のきはみ」「非望のいのち」から始まり、 「時空をこえて屹立する地平をのぞんで」 「勾配」「階段」下りてゆく〈人の世の運命〉を憂慮した18行の名詩。 小生~森川義信畢生…
情熱家と言われることありそれ位以上であるとは言い出せなくて 年に似合わず知的好奇心あり尊敬すとやらその程度ですかとは言い出せなくて ビッグバン大爆発とは恐れ入る不可避の域まで問い詰めてゆく 生きてるの死んでいるのと問う前に生きているとは思えぬ…
夕陽が見たい 今年の梅雨いつ明けるやら日本の人ら我慢の七月下旬 コロナ禍の日々鬱憂に耐えて居てステイホームは爆発寸前 海へ出れば夕陽が眩しき瀬戸内の民人こころ閉塞続く 梅雨明ければまた暑いなと不平など言いませんから明けてください 饐える匂い部屋…
【剣持雅澄〈文学の研究と創作〉著作リスト】 万葉学者鹿持雅澄の使徒として 同人誌「無帽」に小説・随筆を発表、その選集が中心 レンギョウの島 昭和五十六年刊 檸檬社 「同人誌無帽」掲載の短編小説・随筆集 小説「俳諧の風景」昭和五十五年 小説無帽 第十…