月を詠める
2223 天の海に月の船浮け桂楫懸けて榜ぐ見ゆ月人壮士
2224 この夜らはさ夜更けぬらし雁が音の聞こゆる空よ月立ち渡る
2225 我が背子が挿頭の萩に置く露をさやかに見よと月は照るらし
2226 心なき秋の月夜の物思ふと寝の寝らえぬに照りつつもとな
2227 思はぬにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜 さやけし
2228 萩が花咲きのををりを見よとかも月夜の清き恋まさらくに
2229 白露を玉になしたる九月の有明の月夜見れど飽かぬかも
月
に寄明の月夜ありつつも君が来まさば 吾 あれ 恋ひめやも