蘆の角

f:id:gashuu:20210420181829j:plain

   今「角組む蘆」春の季語  

「蘆の角」と言っても、一般にはなじみがないだろうか。

植物「アシ」の新芽である。水辺に蘆(葦)の鋭い芽が伸びているのを今見かける。

「蘆の錐」「角組む蘆」とも使う。暖気とともに、水の面がにぎやかになってくる。

   日の当る水底にして蘆の角 虚子  船を繋ぐ妓楼の裏や蘆の角 寅彦

 津の国の難波の蘆のめもはるにしげきわが恋人知るらめや 紀貫之古今集

一年中、蘆の季語は変転する。若蘆(春) 青蘆(夏) 蘆の花・蘆狩(秋)・枯蘆(冬)

謡曲『蘆狩』 谷崎潤一郎作『蘆狩』など、殊に印象深い。

f:id:gashuu:20210420181649j:plain