2021-04-20 蘆の角 今「角組む蘆」春の季語 「蘆の角」と言っても、一般にはなじみがないだろうか。 植物「アシ」の新芽である。水辺に蘆(葦)の鋭い芽が伸びているのを今見かける。 「蘆の錐」「角組む蘆」とも使う。暖気とともに、水の面がにぎやかになってくる。 日の当る水底にして蘆の角 虚子 船を繋ぐ妓楼の裏や蘆の角 寅彦 津の国の難波の蘆のめもはるにしげきわが恋人知るらめや 紀貫之『古今集』 一年中、蘆の季語は変転する。若蘆(春) 青蘆(夏) 蘆の花・蘆狩(秋)・枯蘆(冬) 謡曲『蘆狩』 谷崎潤一郎作『蘆狩』など、殊に印象深い。