三島由紀夫の「独楽」

少年というのは独楽なのだ。廻りだしてもなかなか重心が定まらない。傾いたままどこへ転がってゆくかわからない。何しろ一本で立っているのだから、不安定は自分でもよく知っている。大人と違うところは、とにかく廻っているということである。廻ることによって漸く立上れるということである。-独楽-