愛憎の交錯したる人生の恩讐を越え安らかに逝かむ
ある時は危急存亡に狼狽えし若き日はもう霞の彼方
栄辱は意に介すなく忍従の中に悲喜あり苦も楽しんで
天地玄黄どれほどの意味あると知れず晴雨浮沈甘んじ受け容れ
陰陽の理も知らずして進退も攻防も皆自然に任せ
よく生きるためには本末軽重を常に心に留めおくべし
厳正に賢愚巧拙評価されそこから逃避するのも人生
虚々実々程々に生きればいいのだと悟るまでにはしばらくかかる
隔絶の生死一如と悟るまでまだしばらくは余生があるなり
寒暖に一喜一憂して生きぬ腰の据わった人にはあらず