「ざんき」に耐えない

   
       「ざんき」とは?

   最近、官公庁で不祥事が絶えない。決まって幹部三役が平身低頭する。
   「こういうことを起して、ざんきに堪えない」とお詫びを述べる。
   自分の行為を反省して、心から恥ずかしく思うので、「忸怩」の〈ひやひや〉感より深い。
   「慙愧」という難しい漢字をスーパー文字には出さない。
   「慙愧(ざんき)」とも表記しないし、上か下にルビもふらない。
   単純にひらがな書きでいいのだが、話し言葉に「ザンキ」は避けるべきだ。
   それならば、「深く恥じ入る」とはっきり言うのがいいか。それでは「恥ずかしい」のか。
   「ザンキ」という即理解困難な語に【韜晦】しているのだ。「ごまかし、かくしている」のだ。

   (付言) 「じくじたる思いでした」についての考察
         「忸怩」とは「心の中で恥ずかしく思う」ことである。
         〈ひやひや〉感で、忸怩より軽い。
         自分に関することで使い、他人の関しては使わない。
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