満洲10首


            満洲10首
   
  郷愁というより怨念満洲に積み遺されしことども多し 

  大地の子平成終るこの年に日中友好翼に乗りて

  運命のことと思わる大地の子帰国するのを温かく迎えん

  聖業の美名のもとに義勇軍開拓団として渡満せし日よ  

   満洲の使者が来るなり日本の負荷を背負っていかなる思いで

  忘られし残留孤児の遺児が来る日本の国私の家に

  『父の帰還』なる拙作がある満洲の回想小説取り出して読む

  孤燕帰燕一対になる拙作の脚光浴びる日はいつなるか

  平成の終りの年に満洲の残留孤児が我が家に来るなり

  昭和のツケ平成で払いきれたるか三代祟るまがごと戦争

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