「あたしネねていたの」と眉かきあげし人を忘れず
眉掃を俤にして紅粉の花(芭蕉)末摘花のあつき唇(雅舟)
「理想にこぞる眉あげて」校歌に詠まれる若者の面
濃き黛よりもかすかな薄黛の人なつかしと想ふ早春
コロナ禍のひひな祭りのひそやかに雛の眉(まよ)引き匂やかにして
生まれつき眉目秀麗ただ少し足りないところこらえる女
眉に唾付けて騙されないようにまじないをする眉唾物は
まだ老いの衰え見せずゆくりなく眉目温厚の故旧に会へり
山雀の眉間の白が桃色の桃に映えたり逢引の径
Musicコンクレートの作曲法涅槃交響曲に聴き入る