余寒(10句)

世を恋うて人を恐るる余寒かな 村上鬼城

ひそと来て茶いれる人も余寒かな 室生犀星

茜雲余寒の空に消え残る   河野紀美子

みんな逝ってしまい残る寒気団 志賀りつ

何もかも終わらぬうちは余寒かな 大浜 茂

母在す限り余寒の侮れず 物種鴻両

こはく色アロマ香れる余寒かな 西沢 姫

風流も年金が内余寒かな  上野 進

結び目のほつれはじめし余寒かな 芳賀陽子

顔上げて残る予感を楽しまん 和泉厚子

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