夕陽の美しい 燧灘
戦争を知らない若者たちが
砂浜に 人影が映るのに惹かれ
観光で ただ 集まってくる
父母ガ浜 その近くの豊浜には
見向きもしない
昭和の時代の 戦跡があったことを
誰も知らない 平和な 令和世
水上特攻基地 ここでは 静かな
瀬戸内の波が 寄せては返すだけ
何の標識もない ~豊浜暁部隊~
学徒出陣 そして南溟へ
沖縄へ フィリピンへ
盤弾を抱えた舟艇に乗って
敵軍艦に突っ込んだ
【水上特攻】 その標は どこにも何もない
ただ 寄せては返す 波ばかり
全ては なかったかのように
自然は 永久の無情