宗鑑編『犬筑波集』恋部(付合)

  

『犬筑波集』恋部(付合)より

  陰陽の頭のせどの恋しさ

 六害の水くむをなご見目よくて

 

  手枕にてや聞きわたるらん

 嫁入りの小夜けがたのほととぎす

 

  首を延べたるあけぼのの空

 きぬぎぬに大若衆の口吸ひて

 

  東路のたが娘とかちぎるらん

 逢坂山を越ゆるはりかた

 

  人間万事いつはれるなか

 塞翁が馬がらせては問ひも来ず