「心」の俳句 10 句

会心の笑みもらしけり鳥威   高木智恵子

石蕗咲くや帰心うながす旅の果 増田千代子

心中を繕はぬまま冬に入る   松下千代

心耳ただ松風に澄む一夏かな  村上葵郷

心耳心眼ひたに蒼める河鹿の夜 栗林弓子

心頭に虫の音澄める草の闇   土屋美香子

心頭を滅却したる海鼠かな   成瀬桜桃子

並ぶ子が妬心あらはに祭飴   北村士元

煩悩の手をたをやかに風の盆  佐川広治

煩悩のとげちくちくと初地蔵  土野寿子