痴れ者にいくら尽してもだめなものどうか私に肩寄せて
夢を説き『痴人の愛』に溺れたる潤一郎も今は亡き人
白痴美もあるとは言えど低能の一億総白痴になってならない
なんという空け者とは言われたくない馬鹿者ではあっても
にこりともせぬ朴念仁で不愛想とは言われたくない
お人好し総領の甚六長男に生まれたるばかりに
世の人に木偶の坊と蔑まれても雨風に負けず生きたい
阿部次郎『三太郎の日記』などと言っても過去の遺物か
老いるのに勝てない定め麒麟も老いては駑馬にしかず
井底の蛙とは言われたくない国際化の現代に