おさないわたしが胸こがし慕いつつけた人の名はそれは「先生」
やせたみいね「おかあさん」ふざけておぶってごめんなさい
別れの季節の悲しみを生れて初めて知りました「中学三年生」
ひゅるひゅると風が吹く校庭に若い日の「記念樹」植えました
何処へ帰るの海鳥たちよシベリアおろしの北の海「哀しみ本線日本海」
ヒュルリララ忘れてしまえと啼いてます「越冬つばめ」見送る私
夢を追いかけこの海越えたあなた恋しと背伸びする「立待岬」
君に逢ううれしさの胸にふかく水色のハンカチ「水色のワルツ」
どこへ行くとも言わないで夜明けのあの人舟の上「なみだの桟橋」
だれひとりふりむいてはくれないけれどせいいっぱい花びらを「寒椿」