桃李もの言わざれども(成蹊)

自ずから径をなすとは言われても自慢するほど人は来たらず

漸くに指折り数える子らありて死なば弔いしてくれるかも

甘えてはいけない彼ら彼女らに家族しがらみありて余所人

独り生れ独り世を去るならいにて後追い心中一件もなし

鳥たちの虫たちの死骸見ること稀人は墓碑など林立させて

盛衰の物語など聞くに及ばず数多の墓碑の野に溢れいて

死後もなお功績讃えて何かせん心惹かれる言葉なくして

胸に響く一句遺せば事は足る一冊の本それも当てにならず

生きている時人様に「愛の言葉」漏らさねばその人はそのまま

一句でも一語でもいい「真実」を伝える言葉遺して下さい